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視力回復 の記事一覧


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視力回復トレーニング~効果のないケースとは

視力回復をはかるためには、一般に「手術による方法」と、「手術によらずトレーニングや治療器具利用による方法」とに、大別されます。

このうち、後者のトレーニングや治療器具利用によって視力回復をはかる方法は、視力低下の症状いかんではまったく効果が得られない場合があり、注意が必要です。


たとえば乱視には、視力回復トレーニングはまったく効果がないとされています。

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白内障 手術による視力の回復

白内障は、水晶体のにごりが進行した結果、視力障害が引き起こされる病気です。

瞳孔が白く見えるため、「しろぞこひ」とも呼ばれます。

点眼薬によって、水晶体のにごりの進行をおさえる治療もありますが、重度の場合には手術によって、にごった水晶体を取り除くことになります。

白内障手術は昔に比べてずいぶんと進歩をとげており、最近では超音波を利用し水晶体を砕いて吸い出す方法が主流となっています。

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緑内障の治療 まず眼圧を下げる

緑内障は眼圧が異常に高まり正常眼圧を越えている場合に、視力低下のみならず視野欠損を伴うことを特徴とし、最悪の場合は失明してしまう恐ろしい病気です。

緑内障は日本人の失明原因の第1位であるにもかかわらず、実際に治療を受けている人は全体のわずか1割程度にとどまっています。

欠損した視野や悪くなった視力が再び回復することはなく、視力より先に視野障害を自覚するのが通常です。現状では「視野や視力の喪失は、常に一方通行」であり、「治療はいま以上の悪化を防ぐだけ」ということは、よく覚えておきたいものです。

ただし早期発見により、高くなった眼圧を下げるための治療や手術を早期に行えば、失明という大事にいたることはありません。

上述のとおり、緑内障はどちらかといえば視力低下より視野障害が主な症状ではありますが、40歳以降ともなると十分注意するべき病気であると言えます。

もっとも多く見られるのが、強い痛みとともに、短時間で失明するタイプの急性緑内障です。

急性緑内障では片目の視野が少し欠けてきても、もう一方の目がなんとか補ってくれるために放置したり気づかなかったりして、対処が遅れがちです。

急性緑内障は、事前に頭痛や吐き気などを併発することも多いのですが、このような場合は我慢せずに、一刻も早く眼科を受診すべきです。放置すると最悪の場合、数日程度で失明に至ります。


また、慢性緑内障の場合は、長い年月をかけて自覚症状がほとんど無いまま進行するので、目が疲れやすくなったり、かすみ目の症状がでた場合には特に注意し、年一回程度は眼圧検査を受診するなど、自分なりに気を配ることも必要です。

慢性緑内障の場合は、目の痛みや充血などの症状もないままに、たまたま眼圧検査や眼底検査を行った結果、見つかることが大部分と言われています。

慢性緑内障のひとつに「正常眼圧緑内障」があります。

初期症状らしきものはないのですが、進行するにつれて段々と視野が狭くなってきます。視野の狭さ等を自覚したときは、すでに相当症状が進んでいると考えるべきです。恐ろしいことに、「正常眼圧緑内障が、日本人の緑内障の7割以上でもっとも多い」という調査結果もあります。

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緑内障のレーザー治療・手術治療の概要

緑内障の治療 まず眼圧を下げるで記したとおり、緑内障の治療はまず眼圧を下げるための薬物治療が基本になりますが、十分な効果が得られない場合は、レーザー治療手術が行われることになります。


緑内障のレーザー治療は、レーザー照射によって虹彩の周辺部に小孔を作ったり、孔の一部を凝固・収縮させて、眼内に溜まって眼圧を上げていた「房水(ぼうすい、眼球内の体液)」の流出を良くするものです。

ただしレーザー治療は効果の持続性という面で不確かなところがあるため、現状では「薬物療法の補助的治療」と位置づけられています。

緑内障は基本的に、眼圧が高くなって視神経に障害が起こり、結果として視野が狭くなる(欠損する)眼病です。

(ただし眼圧が一般的には正常範囲であるにも関わらず、視野が狭くなる「正常眼圧緑内障」もあります。この場合はその人にとっての眼圧がまだ高すぎると判断され、やはり眼圧を下げる治療が行われます。)


点眼薬による治療で眼圧低下が目標値に達しない場合、手術が行われます。

注意すべきは、緑内障の手術はあくまで「眼圧を下げる」ためのもので、萎縮した視神経そのものを治すわけではない点です。

したがって神経の萎縮が進んだ人は。たとえ眼圧を下げたとしても失明を免れないこともあるため、いずれにせよ緑内障の治療は早期に開始されねばなりません

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急激な視力低下が起きやすい、様々な眼病の症状

視力低下を急激にはっきりと自覚するような場合は、問題は視力だけにとどまるものでなく、視神経の異常や動脈硬化、その他にも脳出血や脳梗塞などの脳に関わる病気が原因で起きている可能性もあります。

すべての症状に言えることですが、異常を自覚した場合は、すぐに専門眼科医の診察を受けることにより、病状の早期の確定と治療を行うことがなによりも肝要です。


以下に視力低下が急激に起きやすい主な症例を記しますが、これ以外にも様々な症例があります(参考サイト:「gooヘルスケア 眼に起こる異常」)。

繰り返しになりますが、専門眼科医の早期診察を受けることが非常に大切です。


網膜静脈閉塞症(もうまくじょうみゃくへいそくしょう)

加齢による動脈硬化の進行や心臓病などにより網膜に栄養がいかなくなり、静脈の血管壁が損傷することにより出血して、急激な視力低下などの症状を呈します。

網膜に出血した場合は、出血した箇所だけが見えなくなります。また出血が吸収された後も、視力が完全に回復しないことも多いようです。

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レーシック(LASIK)手術 その概要と費用

視力回復のための手術も色々ありますが、代表的な視力矯正手術として有名なレーシック(LASIK)について、基礎知識を以下に記します。


レーシックとはレーザーを目の表面の角膜に照射し、角膜を削って屈折率を変えることで視力を矯正する手術のことです。

麻酔後に角膜の表面を薄く切って「フラップ」呼ばれるふたを作成し、それをめくってレーザーを照射して角膜を削ります。その後はフラップを元に戻して、手術を終了します。

レーザーの照射や均一的なフラップの作成は専用のプログラムやレーザー装置を通じて行われるため、人間の技量差によるミスがまず生じないとされます。


レーシックは「フラップの作成方法」や「角膜を削る量」によって、術式が分かれています。どれくらい強い近視なのか、また乱視は入っているのか、など患者さんの状況に応じて、イントラレーシック(Intra-LASIK)・エピレーシック(Epi-LASIK)・フェイキックIOL(有水晶体眼内レンズ)など、いくつかの術式が用意されています。

最近は、個々の患者の目の状況に応じて角膜の削り方を変える「カスタムレーシック」が主流となっています。


手術費用に保険適用はなく、10万~50万円位と、医療機関によっても幅があります。割引制度や分割払いを導入している医院もあり、手術前には、事前の比較検討が大切になってきます。

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老眼・白内障とレーシック(LASIK)手術

レーシック手術においては、経験の豊富な専門眼科医を選ぶように努めることはもちろん大切ですが、現在でも世界で数百万人が行っており、技術的にも成熟していることから、手術失敗の可能性はほとんどないといわれています。手術失敗による失明の可能性もまず無いと言われており、その点においては安心してよいでしょう。

しかし、これはレーシック手術に伴うリスクがゼロということを意味しているわけではありません

「リスク回避のために片目だけ手術をしてみる」のも、心配な人にとってはひとつの方法といえるかもしれませんが、左右の視力がアンバランスになることもそれはそれで問題がありますので、事前に専門眼科医とよく相談のうえで、

・自分はレーシック手術をうけられるか、
・自分にとって最適な手術方法は何か、
・費用及び手術後のアフターケア、

といった点につき、納得がいくまで充分に相談することをおすすめします。

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モノビジョンレーシック~普及度No.1の老眼矯正手術

老眼(老視)・弱視・不同視とは老眼についてご説明したとおり、水晶体が膨れることで屈折力を調整し、ピントをあわせているわけですが、40歳頃から水晶体の弾力性が衰えてくると、それも難しくなります。


もともと人の眼は「遠方に」焦点が合っていますが、加齢とともに水晶体やそれを支える毛様体筋が衰えると、それが難しくなってくるわけです。

そのまま自然にまかせておくと、この手前にピントを合わせる力のほとんどが60歳頃までに失われてしまい、近くのものが見えにくくなる典型的「老眼」になるわけです。

したがってレンズを通じて、眼の外から力づくでピントを合わせるべく「老眼鏡」を着用するのが一般的ですが、レーザー手術で角膜のカーブを変えて裸眼視力を矯正するのが、ここでご説明する「老眼矯正向けレーシック」です。

老眼矯正を目的としたレーシックには複数の「術式」がありますが、現在の日本でもっとも普及しているのは「モノビジョンレーシック」です。


「モノビジョンレーシック」とは、手術によって右目と左目の焦点距離を変え、わざと視力に差をつけて、利き眼で遠くを見てもう一方で近くを見るよう調整する術式です。

脳内で両目から来た画像が、最終的に一つに合体するわけですが、脳がやがて左右の視力に差がある状態に慣れてきて、近くも遠くもちゃんと見えるようになります。


手術後はメガネいらずで生活できるようになりますが、その人の生活環境や眼の使い方によっては、手術が適しない人もいます。また脳が新しい状態に適応するまでに、約1~3ヶ月の時間がかかります。

術後に一定の個人差がどうしても生じることから、特に長時間のPC作業や運転を日常的に行う人は、手術前に医師とよく相談する必要があります。

ちなみに手術前は「片眼用コンタクト」を装着して、あらかじめ実際の見え方を体験する「適性確認」が、必ず行われます。

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イントラレーシック(Intra LASIK)による近視矯正

イントラレーシック(Intra LASIK)とは、フラップ(角膜に作るフタ)と呼ばれる部分を作る際に、コンピュータ制御による高精度の医療用レーザーを使うレーシックです。

これまでのレーシックに比べ、このフラップをより薄く正確に作ることが可能なことから、これまでのレーシックでフラップの作成が困難とされた場合でも、安全に手術を受けることが可能になります。

また、さらなるメリットとして、これまでのレーシックに比べフラップの精度が高まったことから、そのぶん角膜を削りとれる量も増えて矯正精度の向上がはかれます。

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フェイキックIOL(有水晶体眼内レンズ)による視力回復

レーシックでは対応が難しい超高度の近視や角膜が薄い場合も治せる手術方法として、フェイキックIOL(有水晶体眼内レンズ)があります。


これはコンタクトレンズのような小さなレンズを角膜の下に入れる方法で、角膜の削る量が足りない人に特に適した手術方法とされています。

具体的には水晶体を残したまま、角膜と水晶体の間にレンズを入れる手術となります。


フェイキックIOLの一番のメリットは、治せる近視の範囲が非常に広い点にあります。

レーシックの場合、高度な近視に対応するには角膜を削る量がどうしても増えることから、夜間に瞳孔が大きく開くと光がにじんだように見える「グレア」などの症状が出る場合がある、と言われています。


それに対して、フェイキックIOLは角膜を全く削らないため、視力矯正の度合いが大きくてもこうした症状が出ることほとんどありません。所要時間もわずか20分程度で、入院も不要です。

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オルソケラトロジーで、視力はどれくらい回復するか

オルソケラトロジーとは、夜中に専用の高酸素透過性ハードコンタクトレンズを装用することによって角膜を正常な形に矯正し、屈折異常を正常化することによって裸眼視力を回復させ、ひいては日中の視力を向上させる方法です。

角膜はやわらかく、しかも新陣代謝が非常に活発な組織ですので、その形も変わりやすいとされます。

新しい形が安定するまで毎晩就寝時にかかさず専用レンズを装用することにより、癖のつけられた形状が長く保たれるようになるわけです。

オルソケラトロジーはもともとギリシャ語で、「オルソ」とは「矯正」、「ケラト」は「角膜」、「ロジー」は「療法」を指しており、全体として「角膜矯正療法」という意味になります。

オルソケラトロジーの治療に用いるレンズには、「夜間着用タイプ」と「連続着用タイプ」がありますが、日本では夜間着用タイプが主流になっています。

寝る直前に専用レンズを装着し、起床後に取り外すわけです。


日中において裸眼ですごせるのがこの治療のメリットですが、視力回復手術とは異なり、レンズの装用を中止すれば、およそ2ヶ月もすると元に戻ってしまう点がデメリットです。

人によって視力回復の度合いは異なりますが、一般的には、0.1の視力なら、最大1.0程度までの視力回復が期待できるようです。


オルソケラトロジーの治療に使用するレンズは、現段階では、厚生労働省の医療用具としての承認を受けていません

したがって通常のコンタクトレンズのように、販売店で治療用レンズを購入することは出来ません。


日本では眼科医や医療機関の裁量により、海外からオルソケラトロジー用のレンズを輸入し、処方が行われています。

現在は、大学病院などで薬品などの効能と安全性を医学的に評価し、厚生労働省から医薬品、医療用具として認可を得るための手続きである「治験」が行われている状況です。

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オサートによる視力回復~オルソケラトロジーとの違い

オサート」とは、個々人の角膜の形状にあわせた特殊なハードコンタクトレンズを就寝中に装用する、視力回復のための治療法です。

起床時にレンズを外しますが、レンズの矯正効果が一定時間続くため日中は回復した視力を一定程度維持したままで、裸眼で過ごすことができます(視力低下の理由~屈折異常と調整異常 ご参照)。


眼内にレンズを装着し、焦点が網膜上に結ばれるように角膜の形を時間をかけて変化させていくという点は、オルソケラトロジーで、視力はどれくらい回復するか でご説明した「オルソケラトロジー」と原理的に同じです。

オルソケラトロジーとの違いは、オルソケラトロジーは角膜に型付けするレンズデザインが一度だけなのに対し、オサートは「治療段階に応じて、レンズデザインの形状を変化させていく」点にあります。

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眼瞼下垂による視界障害 コンタクト常用者・高齢者は注意

眼瞼下垂(がんけんかすい)は眼病とは異なり、治療も眼科ではなく、美容形成外科の範ちゅうに属する症状ですが、高齢化が進むなかで患者数も増加しており、眼瞼下垂による視界障害に悩む方が増えていますので、本サイトにおいても解説いたします。

眼瞼下垂とは、まぶたを上げるための筋肉がゆるんで弱くなり、まぶたが下がって眼が十分開きにくくなってしまう状態を指します。

まぶたをきちんと持ち上げられなくなると視界・視野も狭くなり、ものを読んだりするときの疲れも増してきます。また目が眠たそうにみえ、目つきが悪くみられがちです。

黒目の露出は理想的には9割程度といわれますが、眼瞼下垂の人は6割程度しか露出していないと言われています。


先天性によるものが最も多く、遺伝することもしばしばです。後天性では50代以降の人に多く、加齢により徐々に眼瞼下垂が起こり、いわゆる「年をとって眼が細くなる、開きにくくなる」状態となります。

後天性の場合は眼の手術後や、脳梗塞の後に眼瞼下垂になるなど、いろいろな理由でおこりうる症状となっています。

またコンタクトレンズの長期装用者に眼瞼下垂の症状を呈する人が多いといわれています。

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眼科医に至急行くべき場合と、定期健診について

眼の病気が疑われる症状を自覚したとき、眼科にいつ、どのタイミングでいくべきかという問題があります。

幸いにして眼病の場合、発病後ただちに診察・治療を受けないと手遅れになってしまうことは、通常そう多くありません。

一刻を争う急病のケースが他の病気に比べ数が少ない、とは言えそうです。無論、だからと言って決して放置しておいてよいわけではなく、できるだけ早い段階で専門眼科医の診断及び治療を受けるのが最善であることは、言うまでもないことです。


一刻を争うケースというのは、眼の外傷急性緑内障網膜動脈閉塞症の三つといわれています。


目の中に何か入った、目に何かが刺さった、子供のおもちゃのエアガンが角膜に当たった、等の眼の外傷は、放置すると重症になるケースもあることから、当然に早急な治療が必要になります。

また急性緑内障については、目の痛みのほかに頭痛、吐き気も伴うものですが、放置すると視神経がやられて視力・視野障害が起き、手当てが遅れた場合には失明をもたらす恐れもあります。

(急性緑内障については、緑内障の治療 まず眼圧を下げる をご覧ください。)


三つめの網膜動脈閉塞症は、網膜に血液を送っている動脈が詰まり、網膜の細胞への血流が途絶えてしまう病気です。

血流が途絶えると、その箇所から先の網膜細胞は死んでしまうため、光を感知できなくなって視覚が失われます。

発症するまで自覚症状も少なく、視力低下・視野欠損が突然起きます。

しかも大多数の症例が原因不明とされる、眼の難病のひとつです。


網膜の神経細胞が血流の途絶えた状態に耐えられる時間は、長くても1~2時間程度とされていることから、この時間内に動脈が再び疎通しなければその後で血流が戻っても手遅れとなってしまいますので、治療自体がきわめて緊急を要するわけです。

網膜動脈閉塞症は両目で発症することがめったにない病気であることが、せめてもの救いとも言われています。

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眼底検査とは~視力のために精密検査を眼科で受診

眼底」とは眼球の奥の部分であり、眼底の血管は脳血管の一つです。

眼底血圧が表しているのは、すなわち「脳の血圧」となります。眼底は人体の中で唯一、血管の状態を直接的に観察できる場所になります。

したがってここが動脈硬化を起こしていれば、全身に動脈硬化が及んでいるとの推測が立つことにもなります。

眼底検査は、眼底カメラや眼底鏡などで眼底を撮影して、黄斑部や視神経乳頭を含む眼底の中心部を観察するのが一般的です。

目薬で瞳孔を開かずに検査するので、「無散瞳眼底検査」と呼ばれます。

緑内障や糖尿病性網膜症などを早期に発見できる可能性が高まりますが、眼底に関わる病気のほとんどがカバーできるということで、会社の健康診断や人間ドックで一般に行われるのはこちらです。

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ロービジョンとは~早期のケアが重要

ロービジョンLow vision)は、眼鏡等による矯正をすれば見えないわけではないものの、日常生活において何らかの視力や視野の障害があるために、生活に何らかの不自由さを感じる状態をさします。


日本では弱視(医学弱視)と対比され、「社会弱視」「教育弱視」とも呼ばれているようです。

日本国内のロービジョン患者数は、約145万人と推計されています。

原因には先天的なものもあれば、緑内障糖尿病性網膜症白内障加齢黄斑変性などの後天的な眼病に起因してもたらされることもあります。

眼に病気があっても無くても、「とにかく生活に支障をきたす程度に、両眼の視力が出ない状態」を指すわけです。他に症状として、視野の障害羞明(しゅうめい、まぶしさ)が出ている場合もあります。


国内および海外においても、ロービジョンの共通的な定義は、現状まだ確立していません。

ちなみに世界保健機構(WHO)の定義では「良い方の矯正視力が0.05以上~0.3未満」、アメリカの定義では「良い方の矯正視力が0.1超~0.5未満」となっています。

ロービジョンの原因となる眼疾患や症状、そして結果的にもたらされる不便さに関わる個人差が大きいことも、ロービジョンの社会的な認知を妨げる一因となっています。

視力が完全に失われた状態は「全盲」ですが、弱いながらも視力の出ているロービジョンとは、この点で区別されます。

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自分に合った視力矯正~最適な眼鏡・コンタクトの選び方

近視や老視(老眼)の場合、水晶体のピント調節力が落ちているわけですから、通常は眼鏡やコンタクトによって屈折異常を矯正し、見えづらくなった視力を回復することになります。

近視と仮性近視 症状とその違い
老眼(老視)・弱視・不同視とは

メガネやコンタクトはあくまで屈折率を調節するものですから、たとえば少し焦点がぼやけることで生活に大きな支障が生じるとか、あるいは眼が疲れて痛くなるとか、涙が出て不便で仕方ないとかいった症状が耐えられない人は、生活の質の点からもちろん、矯正のために眼鏡をかけたり、コンタクトを装着したりするのがベターでしょう。

眼病があったり、または眼病を発症し治療の一環として行なう場合も同様です。


しかし誤解されがちな点ですが、別に「眼鏡をかけなければ(コンタクトで矯正しないと)視力が悪くなる」ということはないのです。これらはあくまで「水晶体の屈折を助ける道具」に過ぎません。

特に「眼鏡をかけたら老眼がはやく進んでしまう」というのは間違いで、加齢による水晶体の老化は不可逆的に進むものであり、眼鏡をかけることと直接的な因果関係はありません。

いずれにせよ老眼は60歳頃まで進み続け、水晶体の調節力が少しづつ弱くなっていきます。それまでは老眼鏡も何回か作り直して、度数をしだいに強くしていかなくてはなりません

ほとんどの場合、「老眼鏡は一度作ればOK」という代物ではありません。もっとも老眼の進行スピードには個人差がありますから、レンズを替える回数が多い人もいれば少ない人もいるわけで、その辺りから「眼鏡をかけると老眼が進む」という俗説が生まれたのかもしれません。


網膜が光を感じ、水晶体や角膜を通じ屈折され、物体の像がピントを結びます。水晶体はカメラのレンズの役割を果たし、近くを見る時は膨らみ、逆に遠くを見る時は薄くなります。

水晶体も人間の器官である以上、加齢によって衰え、硬くなって膨らむ力が弱くなったり、あるいは屈折力が必要以上に強くなったりします。これらが近視や老眼を招くわけです( 視力低下の理由~屈折異常と調整異常 ご参照)。

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ドライアイ・疲れ目に対する温熱効果と、涙の果たす役割

疲れ目やコンタクトの装用から生じるドライアイに対しては、蒸しタオルを目に5~6分程度あてるのが効果的とされます。

目には「毛様体筋」という、水晶体の厚みを調節してピントをあわせる機能がありますが、長時間パソコンなどを見続けることによってこの毛様体筋の緊張が続きます。

蒸しタオルを目にあてることによって、この毛様体筋のコリがほぐれる効果があるわけです。


またドライアイによって、目の乾燥を防ぐための涙の脂分にかかわる「マイボーム腺」という器官が詰まるのですが、温めることでこのつまりがとれ涙の流れがよくなるという効果もあります。


2007年8月には、疲労した目に対して蒸しタオルで温めるとドライアイの改善効果があることが実験によって実証され、発表されています。


花王株式会社 2007年8月31日発表資料


この記事によると、ドライアイの方は特に、時間的にも10分程度は暖めるようにすると、さらに効果が高いようです。

目を温めるためのアイマスクなども市販されていますが、お金をかけたくない方は蒸しタオルで温めたり、またはぬらしたタオルをよく絞って電子レンジで少し加熱することで、十分でしょう。

ちなみに目を冷やすことも目の血管を収縮させる刺激を与えるため、疲れ目に対しては一定のリフレッシュ効果があります。

疲れ目には温めることも冷やすことも、一定の効果があるとされます。

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白い光が眼内で点滅する「光視症」~原因・症状・治療

夜遅くに仕事から疲れて帰ってきた後にスマホを見ていると、なんだか白いチカチカした光線が目の中で飛び回って画面が見にくい…そんな症状に見まわれた経験はありませんか?

これは「光視症こうししょう)」という症状です。

黒い糸くず状のものが浮遊する飛蚊症に対し、チカチカ・キラキラした白い光線が、眼内を断続的に走るのが「光視症」です。

光が現れる場所も不定で、小さな光が視野内を飛び回っている感覚です。光視症は年齢に関係なく、片目あるいは両目に起きます。また、飛蚊症の症状と同時に起きることもあります(この場合は念のため、眼科で検査を受けるとよいでしょう)。


光視症が起きるメカニズムですが、硝子体と網膜の間に癒着ができると、目を動かしたときに硝子体が揺れ、網膜を引っ張って刺激を与えます

この刺激が、あたかも眼内で閃光が走るような症状を引き起こします。言い換えれば、この硝子体と網膜の間の癒着が取れると、光は走らなくなります。

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スマホ老眼~老眼とは別物・ドライアイも原因に

20代を中心として、「目がかすむ」「目のピントがあわない」「目がけいれん・ショボショボする」「視界がぼやける」等の症状を訴える人が、増えつつあります。

スマホやタブレットの普及によって新たに登場した、疲れ目からくるこれらの周辺症状は、一般に「スマホ老眼」と呼ばれているようです。


比較的小さいスマホやタブレットの画面を手もとに寄せて、画面の中で小刻みに動きまわる小さい文字や動画を、何時間も見続ける。

眼はピントを手もとにあわせようとして、水晶体を支える毛様体筋」が、絶えずこわばったままになります。


さて、いわゆる「スマホ老眼」は、「老眼とイコールではありません

スマホ老眼は「眼の水晶体そのものは問題ない」という点で、水晶体が固くなってしまう「老眼」とは、分けて考える必要があります。

毛様体筋の疲れが続くと水晶体のピント調節の機能が狂い、それが疲れ目を引き起こします。これには「ドライアイ」も関係しています。

ドライアイ~PC・コンタクト・エアコンが3大要因

スマホの画面を凝視し続けていると、まばたきの回数が通常の3分の1程度に減るため、ドライアイが生じやすくなります。

「歩きスマホ」や「通勤電車で立ったまま」等、足元が定まらずに画面が動き続ける環境下では、なおさら目を酷使することになります。

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