モノビジョンレーシック~普及度No.1の老眼矯正手術
老眼(老視)・弱視・不同視とはで老眼についてご説明したとおり、水晶体が膨れることで屈折力を調整し、ピントをあわせているわけですが、40歳頃から水晶体の弾力性が衰えてくると、それも難しくなります。
もともと人の眼は「遠方に」焦点が合っていますが、加齢とともに水晶体やそれを支える毛様体筋が衰えると、それが難しくなってくるわけです。
そのまま自然にまかせておくと、この手前にピントを合わせる力のほとんどが60歳頃までに失われてしまい、近くのものが見えにくくなる典型的「老眼」になるわけです。
したがってレンズを通じて、眼の外から力づくでピントを合わせるべく「老眼鏡」を着用するのが一般的ですが、レーザー手術で角膜のカーブを変えて裸眼視力を矯正するのが、ここでご説明する「老眼矯正向けレーシック」です。
老眼矯正を目的としたレーシックには複数の「術式」がありますが、現在の日本でもっとも普及しているのは「モノビジョンレーシック」です。
「モノビジョンレーシック」とは、手術によって右目と左目の焦点距離を変え、わざと視力に差をつけて、利き眼で遠くを見てもう一方で近くを見るよう調整する術式です。
脳内で両目から来た画像が、最終的に一つに合体するわけですが、脳がやがて左右の視力に差がある状態に慣れてきて、近くも遠くもちゃんと見えるようになります。
手術後はメガネいらずで生活できるようになりますが、その人の生活環境や眼の使い方によっては、手術が適しない人もいます。また脳が新しい状態に適応するまでに、約1~3ヶ月の時間がかかります。
術後に一定の個人差がどうしても生じることから、特に長時間のPC作業や運転を日常的に行う人は、手術前に医師とよく相談する必要があります。
ちなみに手術前は「片眼用コンタクト」を装着して、あらかじめ実際の見え方を体験する「適性確認」が、必ず行われます。
他に「カメラインレー(アキュフォーカス)」という術式もあります。
「カメラインレー(アキュフォーカス)」は、中央に穴のあいたドーナツ型の黒い小さなリングを、角膜に埋め込む術式です。
これにより、(目を細めて見た時に少し見え方があがるように)ピンホール効果が生じ、眼のピントの合う距離が広がって、遠近とも見やすくなります。
通常このレーシックは片目だけに行われますが、モノビジョンレーシックと同様、眼が慣れるまで1~3ヶ月程度の時間がかかります。
デメリットとして、人によっては暗い場所で光のにじみ(フレア)が出てくるリスクがあります。
どちらの手術も、術後に年月が経過して白内障が出てきたときに、再手術や白内障の追加手術を行うことも可能です。
白内障 手術による視力の回復
「モノビジョンレーシック」「カメラインレー(アキュフォーカス)」共、健康保険の適用外であり、全額自己負担による手術となります。
手術費用の相場は、モノビジョンレーシックは片眼17~26万円、カメラインレー(アキュフォーカス)は片眼30~35万円程度です。両眼同時だと、片眼×2の金額よりも安くなる傾向にあります。
当然ながら費用よりも先に、まずは医療機関や医師の実績・技量面の信頼性から情報を集め、手術を託す候補先を絞りこんでいくことが大切です。
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