スマホ老眼~老眼とは別物・ドライアイも原因に
20代を中心として、「目がかすむ」「目のピントがあわない」「目がけいれん・ショボショボする」「視界がぼやける」等の症状を訴える人が、増えつつあります。
スマホやタブレットの普及によって新たに登場した、疲れ目からくるこれらの周辺症状は、一般に「スマホ老眼」と呼ばれているようです。
比較的小さいスマホやタブレットの画面を手もとに寄せて、画面の中で小刻みに動きまわる小さい文字や動画を、何時間も見続ける。
眼はピントを手もとにあわせようとして、水晶体を支える「毛様体筋」が、絶えずこわばったままになります。
さて、いわゆる「スマホ老眼」は、「老眼」とイコールではありません。
スマホ老眼は「眼の水晶体そのものは問題ない」という点で、水晶体が固くなってしまう「老眼」とは、分けて考える必要があります。
毛様体筋の疲れが続くと水晶体のピント調節の機能が狂い、それが疲れ目を引き起こします。これには「ドライアイ」も関係しています。
ドライアイ~PC・コンタクト・エアコンが3大要因
スマホの画面を凝視し続けていると、まばたきの回数が通常の3分の1程度に減るため、ドライアイが生じやすくなります。
「歩きスマホ」や「通勤電車で立ったまま」等、足元が定まらずに画面が動き続ける環境下では、なおさら目を酷使することになります。
スマホ老眼対策は、まずは「目に適度な休息を与えること」が一番です。
スマホを使わないことはまず無理なので、せめてスマホを集中的に見る時間を自分なりに限定し、「長い人生で眼の健康を守るための」休憩を、意識して作ることが大切です。
理想的には、「1時間に10分程度の休憩」がよいとされますが、個々の状況に応じた「マイルール」で対応すればOKでしょう。
スマホから離れた時間帯では、遠くの景色を見ることで毛様体筋に別方向からの刺激を与えたり、あるいは蒸しタオルを目に当てて血行を回復させ、疲れを取るようにします。
100円ショップ等で売っている「ピンホールメガネ」を時々かけることにも、毛様体筋の緊張をほぐす効果が期待できます。
ただし、これは例えるなら「目のストレッチ」のようなものです。気分転換の小道具として使えても、視力の回復まで求めるのは期待のし過ぎでしょう。
仕事や業務での利用が長時間となりそうな時は、小さいタブレットやスマホで行わずに、PCモニターの大画面で行うことも習慣化したいものです。
ちなみにPC用の「ブルーライト遮断メガネ」もありますが、その目の負担軽減効果については、専門家の間でもいまだに意見が分かれているのが現状です。
最後にひとつ釘をさしておくなら、「自分はスマホ老眼かもしれないが、老眼じゃない」として、「だから大丈夫」と早々に結論づけるのは考えものです。
なぜならば、水晶体が硬くなる年代にも個人差があるからです。早ければ、30代くらいから始まる人もいます。
そうなると、もともとが遠視の人は老眼が早く始まり、その進行スピードも早くなります。高齢になった後は、相当に度の強い眼鏡を手放せない生活が待ちうけることになりますね。
また可能性こそ低いですが、疲れ目がスマホのせいではなく「緑内障」や「糖尿病性網膜症」といった本格的な眼病の症状であるリスクも、無いとは言い切れません。
眼を休ませているのに回復が遅い…と感じた場合は、いずれにせよ早めに一度、眼科の診察を受けるようにしたいものです。
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