視力回復に有用とされる成分(抗酸化物質)
視力の改善と回復、および眼精疲労の軽減によいとされる栄養素は多々ありますが、ここでは代表的な「ファイトケミカル(phytochemical、自然界に数千種類も存在する、植物由来の抗酸化物質」)」として、「ルテイン」「アントシアニン」「アスタキサンチン」の3つを取りあげて解説します。
ファイトケミカルは定まった一日の理想的摂取量などはありませんが、それぞれに抗酸化作用が異なっているため、ビタミンやミネラル類と一緒にできるだけ数多くの種類をとることが望ましいとされます。
いずれも、食事からだけでは充分に摂取することが難しい(加熱など、調理の過程で壊れることも多い)ため、特に日常生活における眼の健康を意識するならサプリメントの併用も選択肢となってくるでしょう。
ただし視力改善や眼の症状軽減に影響が無かったという実験結果も存在しますし、サプリメントが食事による摂取と同等の効果をもたらすか否かは現時点で判明していないことも、併せて知っておくべきです。
あらゆるサプリメントに共通して言えることですが、副作用の観点から過剰摂取を避けると同時に、薬ではないので過剰に改善効果を期待しない姿勢を持つことも大切です。
●ルテイン
カロテノイドの一つである「ルテイン」は、眼の網膜の中心部に位置する「黄斑」に多く含まれています。
黄斑は光、特に青色光や死骸全からのダメージを直接に受けやすい部位ですが、そこに高濃度で存在するゼアキサンチン(ルテインの異性体)は、黄斑を保護する機能を担っています。
ルテインを摂取することで、紫外線やフリーラジカル(活性酸素)から黄斑を守り、白内障・加齢黄斑変性を予防する効果があるとされます。
1日6mgの摂取により加齢性黄斑変性の発症を軽減できたという、人に対する実験結果もあります。
ルテインはホウレンソウ・ケール・ブロッコリーなど緑黄色野菜や卵黄に多く含まれますが、食事からの摂取量はおよそ1.7mg/日に過ぎないため、サプリメントの併用が現実的でしょう。
これまでの実験・研究によれば、現時点でルテインの摂取による副作用などは報告されていないようです。
●アントシアニン
「アントシアニン」は、視機能の改善効果、具体的には眼精疲労の回復・夜間視力の向上・仮性近視の改善・加齢からくる白内障の予防などの効能が注目されています。
サプリメントでは「ビルベリー(ブルーベリー)エキス」として含有されていることが多いようです(アントシアニンの含有率が25%以上のビルベリー(ブルーベリー)エキスが、高品質とされています)。
人の網膜にある「ロドプシン」という光の認識にかかわる色素は日々消費されるため、体内での再合成が必要になります。
アントシアニンにはロドプシンの再合成を促す作用があり、同じく疲れ目やドライアイなどに有効とされる「ベータカロテン」と一緒に、一日に200mg程度を摂るとよいとされます。
●アスタキサンチン
「アスタキサンチン」もルティンやアントシアニンと同じく、ファイトケミカルであるカロテノイドの一種です。食品ではエビやカニ、サケやマスなどの魚に多く含まれています。
自然界に存在するカロテノイドのなかでも特に強い抗酸化作用を有するとされ、ビタミンEの約500~1000倍、ベータカロテンの約40倍、コエンザイムQ10の約800倍に相当するとの報告もあるほどです。
PC作業者らを対象としたアスタキサンチンの投与実験で、疲れ目と視力調節力の改善、眼精疲労の自覚症状が抑制されたとの報告があります。
摂取による副作用なども、これまでのところ報告されていないようです。
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