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視力低下の原因と症状(14)〔黄斑円孔〕。


黄斑円孔(おうはんえんこう)は、文字通り網膜の中心(「黄斑部」と呼ばれます)に円形の穴(孔、あな)があく病気です。

高齢者、特に50歳以降の女性
に多い病気とされます。


また症状の9割近くが、片眼で発症するとされます。

黄斑部、すなわち視力を出すのに大切な網膜のまん中に穴があくことから、症状としては物がゆがんだりして非常に見えづらくなり、視力も著しく低下します。

病状の判定は、眼底検査や網膜の断層写真検査(OCT)を通じて行われます。


網膜剥離とならない限り、この黄斑円孔の状態を放置しても失明に至ることこそありませんが、放置した場合は視力の低下がさらに進む可能性があります。

視力低下の原因と症状(10)〔網膜剥離〕。


したがって、黄斑円孔と診断された場合には、できるだけ早い段階で手術を受けることが必要です。

ごくまれに穴が自然にふさがることもある、といわれますが、それを期待して手術が遅れた場合、視力に影響が残るおそれがあるためです。


現在は「硝子体(しょうしたい)手術」を行うことが、この病気に対する唯一の治療方法となっています。

幸いなことに、この「硝子体手術」によって、9割以上の確率でこの黄斑円孔を消せる、つまりあいた穴を閉じることができるとされます。


この病気において黄斑部に穴があく原因は、歳をとるにつれ、網膜と密着している硝子体が徐々に網膜から剥離していき、そのときに中心となる黄斑部が引っ張られ亀裂ができてしまうことにあります。

したがって、この亀裂をふさぐ手術(専門的には「後部硝子体剥離および内境界膜の除去」)を行うのですが、そのときに眼球内にガスを注入し、人工的に黄斑部を圧迫する処置をとります。

その関係上、数日から一週間程度はうつぶせの状態で過ごす必要が生じます(患者にとってはつらい状態となりますが)。

手術は一時間程度で終了し、その成功率は9割以上とされます。


黄斑円孔の手術後は合併症として白内障が出やすいため、通常は白内障の手術も同時に行うことになります。

視力回復のための方法(2)〔手術による方法:白内障の場合〕。


再発の可能性もごくまれ
で、早く手術をするほど術後の視力回復も期待できます(ただし元の視力が完全に戻るということはありません)。


なお、この手術により、穴をふさぐこと自体は高い確率で成功するのですが、視力がどの程度回復するかは、病状の進行度合いによって変わってきます


手術が比較的早い段階で行われた場合は、視力は徐々に改善していくケースが多いとされます。

ただし、なんらかの視細胞の障害は残ることから、視力の改善をみたにせよ、どうしても多少のゆがみは残るとされます。


あまり症状が進むと網膜の受けるダメージも大きくなることから、たとえ手術をして穴をふさいだとしても、視野の欠けや強いゆがみが残るとともに、視力の回復も難しくなってしまいます。

したがって円孔がふさがりやすい初期症状の段階で手術を受けることが、もっとも重要となります。

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