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オルソケラトロジーで、視力はどれくらい回復するか


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オルソケラトロジーとは、夜中に専用の高酸素透過性ハードコンタクトレンズを装用することによって角膜を正常な形に矯正し、屈折異常を正常化することによって裸眼視力を回復させ、ひいては日中の視力を向上させる方法です。

角膜はやわらかく、しかも新陣代謝が非常に活発な組織ですので、その形も変わりやすいとされます。

新しい形が安定するまで毎晩就寝時にかかさず専用レンズを装用することにより、癖のつけられた形状が長く保たれるようになるわけです。

オルソケラトロジーはもともとギリシャ語で、「オルソ」とは「矯正」、「ケラト」は「角膜」、「ロジー」は「療法」を指しており、全体として「角膜矯正療法」という意味になります。

オルソケラトロジーの治療に用いるレンズには、「夜間着用タイプ」と「連続着用タイプ」がありますが、日本では夜間着用タイプが主流になっています。

寝る直前に専用レンズを装着し、起床後に取り外すわけです。


日中において裸眼ですごせるのがこの治療のメリットですが、視力回復手術とは異なり、レンズの装用を中止すれば、およそ2ヶ月もすると元に戻ってしまう点がデメリットです。

人によって視力回復の度合いは異なりますが、一般的には、0.1の視力なら、最大1.0程度までの視力回復が期待できるようです。


オルソケラトロジーの治療に使用するレンズは、現段階では、厚生労働省の医療用具としての承認を受けていません

したがって通常のコンタクトレンズのように、販売店で治療用レンズを購入することは出来ません。


日本では眼科医や医療機関の裁量により、海外からオルソケラトロジー用のレンズを輸入し、処方が行われています。

現在は、大学病院などで薬品などの効能と安全性を医学的に評価し、厚生労働省から医薬品、医療用具として認可を得るための手続きである「治験」が行われている状況です。

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このオルソケラトロジーは、子供の近視や仮性近視によい効果を期待できる点が、特長のひとつと言われています。

しかしながら、厚生労働省の承認を得ていないという意味で、まだ安全性が確立されたとまでは言えない状況であること、そして、とりわけ成長途上の子供に対し安易にオルソケラトロジーを施す事は危険性を伴う、との意見もあることには注意が必要です。


近視の進行を抑制する効果についても、現段階で医学的根拠が確定した段階にまでは至っていません。

通常、小学生に対しては普通のコンタクトレンズでさえ装用を薦めることはないとされており、オルソケラトロジーの治療に使用するレンズも、装用時間の長さを考えると、その例外とはなりえません。

加えて、子供においてはアメーバ感染の事例なども報告されています。


したがって、とりわけ子供に対してオルソケラトロジーの治療を施すことについては、それが本当に最善なの方法なのかどうかについて、事前に十分に検討する必要があります。

非眼科医による誤ったオルソケラトロジーの処方などの問題もこれまでメディアで報じられたこともありますので、治療する場合は専門医の選択も慎重に行うほうがよいでしょう。


またオルソケラトロジーは、すべての方に適応するわけではなく、眼疾患・強い乱視・強いアレルギーのある方には向いていない場合があります。

また治療中は特にレンズケアと装用時間において、十分な注意が必要となります。


まずは専門眼科医に相談のうえ、ご自身にとってオルソケラトロジー治療が問題がないかどうかを確認するのがよいでしょう。


最後に費用面ですが、オルソケラトロジーにおいては保険は適用されず全額が自己負担となります。片眼につき、10~15万円程度が相場とされているようです。

(最近は、オルソケラトロジーの進化形とも言うべき治療法「オサート」が登場していますオサートによる視力回復~オルソケラトロジーとの違い ご参照。)


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