自分に合った視力矯正~最適な眼鏡・コンタクトの選び方
近視や老視(老眼)の場合、水晶体のピント調節力が落ちているわけですから、通常は眼鏡やコンタクトによって屈折異常を矯正し、見えづらくなった視力を回復することになります。
・近視と仮性近視 症状とその違い
・老眼(老視)・弱視・不同視とは
メガネやコンタクトはあくまで屈折率を調節するものですから、たとえば少し焦点がぼやけることで生活に大きな支障が生じるとか、あるいは眼が疲れて痛くなるとか、涙が出て不便で仕方ないとかいった症状が耐えられない人は、生活の質の点からもちろん、矯正のために眼鏡をかけたり、コンタクトを装着したりするのがベターでしょう。
眼病があったり、または眼病を発症し治療の一環として行なう場合も同様です。
しかし誤解されがちな点ですが、別に「眼鏡をかけなければ(コンタクトで矯正しないと)視力が悪くなる」ということはないのです。これらはあくまで「水晶体の屈折を助ける道具」に過ぎません。
特に「眼鏡をかけたら老眼がはやく進んでしまう」というのは間違いで、加齢による水晶体の老化は不可逆的に進むものであり、眼鏡をかけることと直接的な因果関係はありません。
いずれにせよ老眼は60歳頃まで進み続け、水晶体の調節力が少しづつ弱くなっていきます。それまでは老眼鏡も何回か作り直して、度数をしだいに強くしていかなくてはなりません。
ほとんどの場合、「老眼鏡は一度作ればOK」という代物ではありません。もっとも老眼の進行スピードには個人差がありますから、レンズを替える回数が多い人もいれば少ない人もいるわけで、その辺りから「眼鏡をかけると老眼が進む」という俗説が生まれたのかもしれません。
網膜が光を感じ、水晶体や角膜を通じ屈折され、物体の像がピントを結びます。水晶体はカメラのレンズの役割を果たし、近くを見る時は膨らみ、逆に遠くを見る時は薄くなります。
水晶体も人間の器官である以上、加齢によって衰え、硬くなって膨らむ力が弱くなったり、あるいは屈折力が必要以上に強くなったりします。これらが近視や老眼を招くわけです( 視力低下の理由~屈折異常と調整異常 ご参照)。
眼鏡もコンタクトも日常生活上で常に使うものですから、処方は慎重にする必要があります。
自分にあわないメガネやコンタクトを使い続けることは、眼精疲労の要因ともなります。
メガネの処方は視力の測定によって適切な矯正視力を導くところからスタートしますが、個々人にとって最適な「屈折度」を決めるのはなかなか難しいのです。
本人が「この見え方が最適」と感じる”自覚的な視力”も加味して決めていかなくてはなりません。
たとえばあるレンズで1.5の矯正視力が得られても、その人が1.5の矯正視力を出すことが日常生活上で真に快適でベストかどうかは、いくつかの方法を併用しながら総合的に決めなくてはならないわけです。
この場合は言いかえると、「1.5の矯正視力が出るものがベストでは無く、本人がもっとも見えやすいと思うものがベストな眼鏡」ということになります。
左右で視力差がある(眼の屈折値に差がある)場合は、さらに慎重に測定する必要があります。
またメガネレンズが眼前に長時間固定されて動かないわけですから、目の疲労度を考え、最適な屈折値より若干弱めの度数で処方することが原則になります(乱視がひどい場合は、通常は乱視度も少し弱めます)。
したがって眼鏡やコンタクトを作るときはショップに置かれた簡易機器で済ませず、専門眼科医にきちんと測ってもらって自分の目の屈折値のデータを得ることをおすすめします。
また眼鏡などを作った後も定期的に再測定を行ない、矯正レンズの度数をいつも最適な状態に更新することも、忘れないようにしたいものです。
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