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視力低下の症状(7)〔ぶどう膜炎〕。


ぶどう膜炎という、比較的珍しい、目に炎症を起こす病気があります。
「何故にぶどう?」と、思われたかもしれませんね。

「ぶどう膜」とは、目の中の脈絡膜(みゃくらくまく)・毛様体(もうようたい)・虹彩(こうさい)の三つをまとめて呼ぶ総称で、三つともまるでぶどうのような色をしていることから、そう呼ばれています。

このぶどう膜に炎症が起こることを「ぶどう膜炎」と呼ぶわけですが、ぶどう膜は、眼球のほかの部分に比べて血管が多く、そのために炎症を起こしやすいことが特徴となっています。

そして、ぶどう膜は網膜と接しているために、炎症が起こると網膜に影響を与えやすくなります。

すなわち、視力が下がったり、視界が霧がかかったようになったり、または目の中がにごったり、目の痛み・充血・飛蚊症・かすみ目などの症状が現れてきます。
炎症は繰り返し起こることもあるため、視力障害が続いて重症化したり、最悪は失明に至ることもあります。

ぶどう膜炎は、原因の診断がなかなか難しく、特定できないこともしばしばある病気として有名です。

なかでも、昔から有名な「三大ぶどう膜炎」として、ベーチェット病・サルコイドーシス・原田病があげられており、これらが原因の約半数を占めているといわれます。

それぞれの病気についての説明は省きますが、これら三つの病気は、いずれも免疫系の異常が原因で発症することが分かっており、目だけではなく、全身にも症状がでる難病です。

また最近は、臓器移植後に免疫抑制薬を長期間服用している人や、エイズウィルスによって免疫力が低下しているような人が、ウイルスに感染して起こるぶどう膜炎が、増加傾向にあるようです。

ぶどう膜炎の治療は点眼薬が中心となりますが、重症の場合には内服薬・注射なども併用した治療が行われます。
全身に症状があらわれたりした場合には、入院治療が必要になる場合もあります。

ぶどう膜炎は、白内障・緑内障、網膜剥離などの合併症が高い頻度で起こるケースがあるので、とりわけ炎症がひどくならない早期段階で治療することが大切とされています。

ぶどう膜炎は、上述のとおり原因の特定やその診断が難しく、またぶどう膜炎のいくつかにおいては、完治が難しい病気でもあります。

病状を確かめながら対症的に行う治療が中心となる、定期的な通院が欠かせない病気であることに、注意しておきましょう。

 

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