視力低下の原因と症状(7)〔眼底出血〕。
眼底出血は、網膜から出血している状態を指しますが、単独の病名というわけではなく、病気に起因する出血の症状です。
症状といっても、自覚症状は感じないことがほとんどであり、また鏡を見ても、それとは気がつきません。
よく白目の部分の出血を、眼底出血と間違える方がいますが、白目の出血は「結膜下出血」と呼ばれ、こちらは目の表面だけに出血しているにすぎません。
眼底出血が起きる原因については特定されていませんが、高血圧や糖尿病、血管の炎症がある場合に、発症しやすいといわれています。
眼底出血は、「網膜静脈分枝閉塞症」(もうまくじょうみゃくぶんしへいそくしょう)、「糖尿病性網膜症」、「加齢黄斑変性(AMD)」(かれいせいおうはんへんせい)などの病気における症状として、あらわれます。
そのなかでも「網膜静脈分枝閉塞症」や「糖尿病性網膜症」による眼底出血が、症例としては最も多いとされています。
(なお、糖尿病性網膜症については視力低下の症状(5)〔糖尿病性網膜症〕。を、加齢黄斑変性については視力低下の症状(4)〔高齢者特有の眼の疾患、加齢黄斑変性(AMD)〕。を、それぞれご参照ください。)
網膜以外においては、たとえ静脈が詰まっても、他の静脈に血液が流れる道ができるため出血しないのですが、網膜は非常に薄いために、血栓ができて静脈が閉塞(押しつぶされる)してしまうと、行き場を失った血液があふれて出血してしまいます。
これが「網膜静脈分枝閉塞症による」眼底出血です。
なお、視神経のところで静脈が閉塞(押しつぶされる)た場合は「網膜中心静脈閉塞症」(もうまくちゅうしんじょうみゃくへいそくしょう)と呼ばれますが、症例のおよそ8割以上は、網膜静脈分枝閉塞症であるとされています。
出血部分においては、瞳孔から入ってくる光が網膜まで届かないため、その部分の視野がさえぎられ、視力低下が生じたり、視野が一部欠け物が見えなくなる場合があります。
かりに自覚症状が無くとも、放置してしまうと新しく血管ができてしまうため、そのもろい部分からさらなる出血を招いたり、あるいは網膜剥離などの合併症を起こす懸念もありますので、すみやかな治療が必要になります。
治療としては、閉塞した部位に応じて、血液の流れをよくするための薬物治療・レーザー治療・手術などが、行われることになります。
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